昨今、長時間労働やパワハラ・セクハラといった労働問題がしきりに話題になっています。
こういった問題が頻繁に起こる企業をブラック企業と呼ばれています。
「ブラック企業の見分け方なんて本当にあるの?」
「入社してみないとブラックかどうかなんて分からないんじゃない?」
そう思われる方もおられるかもしれません。
実際各企業は自社の良い部分しか基本的には見せようとしないので、見分けることは容易ではありません。
ただ本記事で紹介している点を了解して転職に臨めば見分け方を知り、リスクを最小限に抑えることができます。
人生の一大イベントである転職に失敗しないためにも、本記事で見分け方を確認してから転職活動に臨んで下さい。
ブラック企業とは?
ブラック企業・ホワイト企業という言葉が昨今よく聞かれるようになりました。
では、ブラック企業というのはどういった企業のことを言うのでしょうか。
厚生労働省では以下のような特徴を持つ企業がブラック企業と呼んでいます。
一般的な特徴として、
① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、
② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、
③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う。
- 極端なノルマや長時間労働の問題
- 残業代不払いやパワーハラスメント等のコンプライアンスなどの問題
- 不当解雇などの問題
以上の3点の問題を抱える企業が所謂ブラック企業と呼ばれています。
こういった人を人として扱わないような企業には転職しないほうが賢明です。
ブラック企業の特徴
社員の入れ替わりが激しい
労働条件が過酷であれば、必然的に人の出入りが激しくなります。
人がすぐ辞めてしまい、その反動で求人広告を頻繁に出さざる負えなくなるという流れです。
生き残ることができる人だけを残し、戦力にならない人を自主退職に追い込んでいくのがブラック企業の一つの特徴です。
その意味で、頻繁に求人広告を出している企業の中にはブラック企業が含まれています。頻繁に求人広告を出している企業は以下の4つに分類できます。
- 急成長中の人気企業で多くの人材を求めている企業
- 専門性が高く適当な人材が見つからず求人が慢性化している企業
- 人気が集まりにくい業界や企業で求人を出さざる負えない企業
- 離職率が非常に高く、常に求人公告を出さなければ企業として成り立たない企業
頻繁に求人広告をだす企業は上の4つのうちのどれかに該当しますが、4つめの企業がブラック企業です。
自分が転職したいと思っている企業がもし求人広告を頻繁に出している企業であるなら、ブラック企業の可能性があるということを頭の片隅に入れておいてください。
YESマンであることを強要する
優良な会社であれば、部下や社員の言葉に耳を傾けようとします。
ホワイト企業は多様性を認め合う自由と自律の雰囲気がある職場です。
他方、ブラック企業は上司の言葉が絶対であり、部下は常にそれに対して従わなければいけません。
実際優秀な上司であればあるほど他者や部下の言葉に耳を傾け、上司としての器の無い人ほど自らの考え方を絶対視する傾向があります。
会社の上司や社長などはその会社の社風を投影しているといってもいいので、上司や社長の人柄を見ることはブラック企業であるかの見分け方の目安になります。
正社員採用を装う
正社員と募集をかけているにもかかわらず、採用の際にそれを覆すこともブラック企業によくある特徴です。
一般的な優良な企業であれば、正社員で募集をかける以上、余程の事がない限り、試用期間後であっても正社員として採用されることが普通です。
他方ブラック企業の場合、この試用期間を自社の都合を優先させるための手段として利用しています。
つまり、正社員として募集しているにもかかわらず、試用期間で正社員として雇いたいか雇いたくないかの判断をするということです。
正社員募集という求人を、人を集めるための手段にしているということです。
これは明らかに虚偽記載です。
待遇面で嘘をつく
ブラック企業の一つの特徴に待遇面で虚偽の求人を出すという点があります。
一つの手段としては、「固定残業代」を基本給に入れて求人に出す方法です。
通常残業をすれば必ず残業代を支払わなければいけないことになっています。
しかし固定残業代として基本給に含めてしまえば、新たに残業代を支払う必要がなくなります。
さらに、求人広告の基本給に固定残業代を含めてしまえば、給料を良く見せて魅力的な求人にすることができます。
入社の際は、残業代がきちんと出るのか確認しましょう。
入社後の過酷な選別
ブラック企業の特徴は、社員を成長させることに焦点を当てるのではなく、優秀な人材を確保するために過酷な競争を強いる点にあります。
転職活動に多くの労力を費やして入社した会社をすぐに辞めるのは誰でも不安を感じます。
ブラック企業はそういった社員の不安に漬け込み競わせて、生き残ることができる社員だけを残し、生き残れない社員は切り捨てていこうとします。
自主退職に追い込む
正社員として採用した場合、犯罪を犯したり大きな問題が起こらない限り簡単に社員を辞めさせることはできません。
ブラック企業の場合は、使いもにならない社員にプレッシャーをかけることで「自主退職」という形で退職に追い込もうとします。
ブラック企業の見分け方4つで転職に失敗しない
ブラック企業の見分け方として
この4つの方法があります。
求人広告から判断する
求人が常態化している
いつ見てもこの企業の求人があるな~
そう思った場合はブラック企業の可能性があります。
可能性があるといった理由は、前述の通り常に求人広告を出している企業の中には
- 急成長中の人気企業で多くの人材を求めている企業
- 専門性が高く適当な人材が見つからず求人が慢性化している企業
- 人気が集まりにくい業界や企業で求人を出さざる負えない企業
- 離職率が非常に高く、常に求人公告を出さなければ企業として成り立たない企業
この4つの企業の可能性があるからです。
求人広告上の条件が誇大的
条件が良く記載されているからと言って、必ずしもブラック企業ということはできません。
ブラック企業は魅力的な企業であることを装う手段として、条件を誇大的に記載するという特徴があります。
例えば見分け方としては以下のようなケースがあります。
年収の幅が広い
- 年収300万~800万円 努力次第でそれ以上も稼げます
- 未経験者でも経験豊富な先輩職員が親切丁寧に指導します
- すぐにいい給料で仕事ができるようになります
など、すぐに高い給料を貰えると思わせるような広告の場合はブラック企業を疑った方がいいでしょう。
年収の幅をもたせることで、社員のほとんどが安い給料で働かされているにもかかわらず、転職者に高い給料を貰える希望を与えることができます
応募の壁が低い
「学歴不問」「年齢不問」「業務経験不問」「未経験者歓迎」などの、応募の壁が低いことを匂わすことが求人に記載されていることがブラック企業にはよくあります。
応募条件を低く設定しているのは、離職率が高い裏返しと言うことができます。
試用期間が異常に長い
優良な企業であっても試用期間を設けている場合はよくあることですが、ブラック企業の場合その試用期間が異様に長いことがあります。
試用期間中に契約社員として働かせて、元々正社員として契約するつもりはないといったブラック企業も存在します。
安い賃金で雇える契約社員として人件費を削減し、いらなくなったらすぐに辞めさせられるという形にしているのです。
勤務地が他県
求人広告を出している県と勤務地の県が異なる場合があります。
その中には、実際に支社が沢山ある企業の場合もありますが、ごくまれに会社自体が地方ではブラック企業として有名であることから、他の県で求人を出している企業もあります。
前述の求人広告上での見分け方は非常に有用なので一度試してみてください。
「就職四季報」で会社のデータを入手し判断する
3年後離職率
新卒者の3年以内での離職率が30%以上ある場合はブラック企業の可能性があります。
業界や産業によってバラつきがあるので一概には言えませんが30%という数値をブラック企業かどうかの目安にするのは見分け方としておすすめです。
平均勤続年数
平均勤続年数が短い理由には3つの可能性があります。
企業の年齢が若い
創立されて間もない企業の場合は平均勤続年数が会社の年齢を超えることがありません。
若手社員が多い
急成長中の企業などは、近年社員を増やしているということから、結果的に平均勤続年数が短いという現象が起こります。
辞める人が多い
職場環境が過酷であったり、待遇面が悪いなどブラック企業の条件にあてはまる場合は辞める人が多いです。
よって『平均勤続年数が短い=ブラック企業』と決めつけるのではなく、その企業がいつ創立されたのか、また最近成長している企業なのかを合わせて判断することで、平均勤続年数をブラック企業であるかどうかの判断材料にすることは見分け方としておすすめです。
採用プロセス
これはデータと言えないかもしれませんが、人材確保のために、企業が銘打っているものが抽象的である場合は注意が必要です。
仕事内容など具体的なものを説明すると就職者に悪い印象をあたえるため、あえて『夢』や『理想』といった耳障りがいい抽象的な言葉を使っている可能性があります。
最低賃金と平均賃金が近いが最高賃金が非常に高い
見分け方の一つに最低賃金と平均賃金が近い場合は昇給の可能性が少ないことが言えます。
さらに最低賃金と平均賃金が低いわりに最高賃金が高い場合は、その企業は明らかな能力主義で過酷な競争を強いている可能性が高いです。
ネット上の口コミサイトから判断する
企業は自分に不利な情報を公にはしません。
そこで、実際にその企業で働いた人の口コミや評価等をネット上の口コミサイトから調べることは大切です。
ブラック企業かホワイト企業かの見分け方として口コミサイトは非常に有用です。
ネット上の情報は確かに正確でないことも多々あります。
さらに、口コミに書く大半の人は今の会社に不満を持っている人で、結果的にその企業のマイナスの部分にしかフォーカスしないという偏りが生じてしまいます。
よってすべてを鵜呑みにすることはできませんが参考にすることはできます。
以下有用な転職口コミサイトを紹介します。
転職会議
株式会社リブセンスが運営する会員数200万人超の口コミサイトです。
口コミをすべて閲覧するには無料の会員登録が必要ですが60万社を超える企業データと従業員口コミを閲覧するができます。
Vorkers
株式会社ヴォーカーズが運営する企業口コミサイトです。
簡単な無料登録をすれば1日約100件の口コミを読むことができ、また全260万件の社員口コミと評価スコアが自由に読めことができます。
企業は5万社を超えます。
大手企業の場合数千もの社員口コミを閲覧することができます。
他にもたくさん口コミサイトはありますが、口コミサイトから、社員の生の声を聞くことはその企業の真の姿を垣間見ることができます。
直接就職したい企業に足を運んで判断する
ブラック企業であるかどうか、直接就職したい企業に足を運んでみて判断するのも一つの方法です。
深夜でも社内の電気がついているか
深夜でも社内の電気がついている場合、残業が常態化している可能性があります。
忙しい時期であったりする場合もあるので、決めつけることが出来ませんが一つのブラック企業の見分け方の目安にはなります。
社員の表情を見る
ブラック企業の場合、社員の表情一つとっても浮かばない表情であることがあります。
社員が生き生きとしてるかどうかもブラック企業かどうか見分け方の判断の目安にすることができます。
ホワイト企業で大切にされている社員とブラック企業で酷使されている社員ではやはり違います。
直接就職したい企業に足を運んだ場合社員の表情等に注目してみましょう。
以上ブラック企業であるかの見分け方を紹介しました。見分け方を頭にいれて企業を見るとブラック企業かどうかの判断を自らすることができます。
ブラック企業を見分ける付加価値
ブラック企業の見分け方を自分の中にインプットすることで、逆にどういった企業がホワイト企業なのか判断する力を養成することができます。
またブラック企業を見分けるために様々な角度から一つの会社を判断することによって企業研究のポイントなどをおさえることができます。
まとめ
ブラック企業であるかないかを判断する材料はたくさんあります。
誰でも優良なホワイト企業で働き自らを成長させ自己実現をしたいと思っています。
実際自らの能力を開花できるかは環境に左右されると言っていいかもしれないくらい重要なファクターです。
ブラック企業に入社し、自らの才能を潰されないためにも本記事の見分け方の判断材料を有効に活用しブラック企業の見分ける力を養ってください。
また転職エージェントを用いて転職すれば、ブラック企業は転職エージェントの独自の調査によってフィルタリングされているので、安心して転職活動を行うことが可能です。
転職エージェントは無料で利用できるので、是非登録し活用してみてください!