中途採用の看護師が来て喜んでいたら、数カ月で辞めてしまったこと、皆さんの職場では経験ありませんか?
実は、私が勤めていた病院でもありました。
中途採用の看護師の離職率を下げるためのチームが組まれるほど、問題は深刻でした。
新卒者と違い、ある程度経験を積んでいる中途採用者なのに、どうして転職に失敗してしまうのか不思議ですよね。
実は、中途採用で失敗する看護師は、採用側とのズレが生じていることが多いのです。
ここでは、中途採用時のズレにハマって転職に失敗する看護師と成功する看護師の違いや、中途採用時のズレを起こさずに転職を成功させる方法をご紹介します。
中途採用時のズレにハマって失敗する看護師と、ズレにハマらず転職に成功する看護師の違い
- ズレにハマって失敗する看護師とは?
- 中途採用時のズレにハマらず転職に成功する看護師とは?
ズレにハマって失敗する看護師とは?
先ほどから出ている、「中途採用時のズレ」って何だと思いますか?
そのキーポイントは、過大評価と過小評価なのです。
採用側は、中途採用者の以前勤めていた所(急性期病院or慢性期病院or施設など)や、その経験年数で、およその看護師のスキルや力量を評価しています。
でも、同じ二次救急の急性期病院でも、救急件数やオペ件数、病床数は様々ですよね。
中途採用時のズレにハマって失敗する看護師は、面接時に自分がどんなスキルをもっているのかを、ちゃんと転職先の病院に伝えることができていなかったり、転職先の病院の特性をちゃんと調べていなかったりします。
「急性期病院」「慢性期病院」「施設」といった大きなカテゴリーだけで、中途採用の看護師も、採用側も判断しがちです。
また、ちゃんと特性を調べようと思っても、転職先の見学やホームページを見てみるだけでは、実情が分からないこともあります。
その結果に起こることが、中途採用の看護師と、採用側の考えのズレです。
中途採用の看護師のスキル・力量以上の評価を採用側がすると(過大評価)、転職後、能力以上のことを求められて、大変な思いをすることになります。
また、中途採用の看護師のスキル・力量より低い評価を採用側がすると(過小評価)、転職後、簡単な仕事しか与えられなかったり新卒のような扱いを受けて、不満を抱くことになります。
中途採用時のズレにハマらず転職に成功する看護師とは?
まずは、自分のスキルや力量を的確に理解する必要があります。その上で、自分は転職先でどんなことをしたいのかを考えます。
そして、転職を考えている病院や施設の情報をしっかり集めます。
給料だけでなく、忙しさ・残業の多さ・休日の多さが、自分のキャパを超えたものでないかも、ズレにハマらない上で大切なポイントです。
見学時や面接時には、転職先に自分のスキルや力量を伝えて、転職先の実際とズレがないかという確認をする必要があります。
この様に、自分のスキルや力量と、転職先の考えやその実際との間に、ズレが発生していないかのすり合わせを確実にしているのが、転職に成功している看護師なのです。
中途採用時に起こるズレによって、転職に失敗した具体例の紹介
- ≪過大評価編≫中途採用の看護師のスキル・力量以上の評価を採用側がしてしまう
- ≪過小評価編≫中途採用の看護師のスキル・力量より低い評価を採用側がしてしまう
- ちょっと他とは違う、大学病院の中途採用事情
≪過大評価編≫中途採用の看護師のスキル・力量以上の評価を採用側がしてしまう
「出来ない看護師」と思われるのは辛いですが、実力以上に「出来る看護師」と思われてしまうのも、辛いですよね。
具体的には、過大評価によって次の様なことが起こる可能性があります。
- オリエンテーションはすぐに終わり、細かな説明なく部屋持ちなどの業務が始まる
- 新卒の様にプリセプターが決まっておらず、気軽に相談できる相手がいない
- 経験者と見られ、即戦力に期待される
- 患者の病気や治療など、知ってる呈ですすめられる
- 転職後、すぐに夜勤デビューや重症部屋の担当にされる
新卒で働いている時には、チェックリストがあったりプリセプターがつくので、周りのスタッフにも、自分がどの程度出来ているのか分かってもらえやすい環境ですよね。
中途採用だと、そういう教育制度が無いところも少なくありません。
採用側からの過大評価により、プレッシャーや不安、焦りを感じたり、自分が無能だと落ち込んでしまうことになります。
私が急性期病棟で働いていた時、他の急性期病院で働いていた中途採用者が、数カ月で退職したことがあります。
今思えば、中途採用者が思っていた以上のことを求め、「これぐらい出来るだろう、知っているだろう」で進めてしまっていた様に思います。
≪過小評価編≫中途採用の看護師のスキル・力量より低い評価を採用側がしてしまう
一見、自分の実力より過小評価を受けていると、仕事をしやすいように思われるかも知れません。でも、過小評価であっても、働く中でストレスが生じます。
- 知っていることを、一から指導される
- 知っていることの勉強会に強制参加させられる
- 軽症部屋の受け持ちばかりで、やりがいを感じない
- 新卒のように扱われ、なかなか1人でさせてもらえない
- 給料が低い、経験加算に不満がある
これらを考えると、過小評価もストレスだなと思いませんか?
丁寧に見てもらえること自体は安心感を持てます。
しかし、自分の実力以下に思われるのは、今までの経験を否定された様な気持ちになったり、物足りなさを感じたりしてしまいます。
私が救急外来で働いていた時には、中途採用者が「以前働いていた病院より救急件数が少なくて、軽症が多いのでやりがいを感じない」と、1か月で退職した看護師がいました。
この場合は、中途採用の看護師自身も自分を過小評価したか、転職前に救急件数や忙しさの下調べを十分にしていなかったから起こってしまった様に思います。
ちょっと他とは違う、大学病院の中途採用事情
今ご覧になっている方のほとんどは、転職を考えておられると思います。
大学病院では、主に新卒者の採用を行なっているため、中途採用は他の病院に比べると少ないので注意が必要です。
だからといって、決して中途採用の募集をしていないわけではありません。
大学病院は一般的に年間休日が多く、給料も多いです。
もし、大学病院に興味があるなら、募集が少ないからといって諦めず、是非検討してみて下さいね。
中途採用時のズレをなくして転職に成功するために大切な3ステップ
「じゃあ、一体どうしたらズレにハマらず転職に成功するの!?」ここが一番重要ですよね。
今までお伝えしてきたのは、主にスキル・能力に対するズレでした。
他にも起こりやすいズレとしては、「思っていたより残業が多い」「休日が多いと思っていたのに、委員会活動や勉強会で潰れてしまう」「人間関係がギスギスしている」ということがあります。
スキルや能力に関することに気を取られず、ワークライフバランスの考え方のズレの有無もしっかり確認しましょう。
次に、ズレをなくして転職に成功するための3ステップをご紹介します。
ステップ1 自分のスキル・能力を的確に理解し、どんな働き方をしたいのか明確にする
→どういう所で働いてきて、どういう能力があるのか
転職先では、スキルアップしたいのか、家庭を優先してゆっくり働きたいのかなど
ステップ2 転職先の情報収集
→病院の規模、患者の重症度やADL、救急件数やオペ件数
残業や休日出勤の有無、教育体制、人間関係など
ステップ3 自分の考えと転職先の考えにズレがないかの確認
→ステップ1とステップ2の条件の中で、ズレが起こらないかというすり合わせを行う
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ステップ1~3まで、全て自分でするのは大変ですよね。
特に転職先の情報収集を自分だけでするのは、とっても時間がかかります。しかも、実際の忙しさや人間関係などの内部事情は、なかなか分かりません。
見学や面接時に確認することもできますが、ワークライフバランスのことなど詳しく聞きすぎて、やる気のない人と思われる危険があります。
転職サイトに登録すると、担当のコンサルタントがつくので、転職先の情報収集や、ズレの有無まで確認してもらえます。
病院によっては、以前に働いていた看護師から聴取した情報があるので、リアルな情報を知ることが出来ます。
無料で簡単に登録出来るので、まずは転職サイトに登録してみることをオススメします。