「看護師の新人は先輩からいじめられても仕方ないの?指導だって言うけど…これっていじめじゃない?」
「ブランクがある新人がこんなに大変だとは…何を質問しても『経験者でしょ!』って言われて指導してもらえないんだけど…ブランク明け看護師は無視されてもしょうがないのかな…」
「新人看護師は先輩看護師にいじめられる運命なんだから、転職しても同じことの繰り返しになるだけだよね…」
私も新人の頃、先輩看護師が怖くて毎日泣いていたので、先輩看護師にいじめられて辛い気持ちが痛いほどよく分かります。
どの病院でも看護師の新人はいじめられるって聞きますよね。
だけど、新卒やブランクのある新人が先輩看護師からいじめられない方法があるって知っていますか?
それに、新人のことを大事にしてくれる先輩看護師がいて、丁寧に指導してくれる病院もあるんですよ。
今回は、新人・ブランク明け看護師がどうして先輩看護師からいじめのターゲットにされてしまうのかについて解説し、いじめられない看護師になる方法を紹介します。
いじめに悩むことがなくなれば、新人看護師、ブランクのある看護師でも仕事が楽しくなりますよ。
目次
新人看護師がプリセプターに指導という名目のいじめにあう時
新卒の新人看護師はプリセプターと一緒にいる時間が長いので、様々な場面でいじめられますよね。
あなたもこれから紹介するような出来事を経験しているのではないでしょうか?
新人看護師が何度も同じ失敗をした時
新人看護師だとプリセプターから仕事を教えてもらっても一度では覚えきれず、何度も同じ失敗をしてしまうことがありますよね。
仕事を始めたばかりの頃は失敗を許してもらえても、失敗の数が増えるにしたがって風当てりがきつくなり「何度も同じこと言わせないで!」とプリセプターに叱られてしまいます。
プリセプターに怒鳴られて萎縮した新人看護師は緊張でますますミスが増え、感情的になったプリセプターに「こんなことも覚えられないなんて頭悪いんじゃないの?」といじめられるようになっていきます。
新人看護師の態度が悪い時
プリセプターにいじめられる新人看護師は、口答えをするなど先輩看護師が生意気だと感じる態度をとってしまう人が多いです。
本人は悪気がなくても、厳しい上下関係で育ってきた看護師がプリセプター役をしていると、新人看護師が少し反論しただけでプリセプターの機嫌を損ねてしまい「黙って話を聞きなさい!」ときつくあたられてしまいます。
新人看護師が自分で調べもせずに答えを聞いた時
新人看護師は看護師資格があるとはいえ現場経験はないので、仕事をし始めると分からないことだらけです。
それなのに、患者さんに質問されたりして急いで答えを出さないといけない場面が結構あります。
「早く返事をしないと!」と焦った時、自分で調べる前にプリセプターに質問してしまいませんか?
でも、そんなことすると「自分で調べなさい!」「勉強しないからいつまでも仕事が覚えられないんでしょ!」と、プリセプターの逆鱗に触れてしまいます。
新人看護師が社会人として適切な行動がとれない時
新人看護師は社会人経験がない人がほとんどなので、新人が電話に出る、他のスタッフが忙しそうにしている時には手伝う、などの社会常識が分からずにプリセプターをイライラさせることがあります。
社会人として適切な行動がとれない新人看護師を疎ましく思ったプリセプターは「役立たず!」「こんなことまで教えないとできないの!」と、新人看護師をいじめます。
新人看護師が他の看護師と良い関係を築いていない時
新人看護師がプリセプター以外の先輩看護師に失礼なことをしてしまった時には、プリセプターがフォローしなくてはいけません。
これは、新人看護師の先輩への態度が悪いのもプリセプターの責任にされてしまうからです。
特にプリセプターよりも先輩の看護師が相手の場合には、嫌われないよう気を使って一生懸命フォローしなくてはいけないので、プリセプターにとっても大きなストレスになります。
その結果、「もうこの子の指導役は辞めたい…」とプリセプターは思うようになり、新人看護師へのいじめがエスカレートしていきます。
ブランクのある新人が先輩看護師にいじめられる時
中途採用の看護師は、経験があるけれど新人…という曖昧な立場だということでいじめにあいやすいんですよね。
どんな場面でブランク明け看護師がいじめられるかを見ていきましょう。
ブランク明け看護師が基礎的なことができない時
ブランクのある看護師は、経験があるということで基礎的なことはできていると先輩看護師には思われています。
しかし、過去にどういった病棟にいたかで、身に付けている看護技術に個人差があるので、先輩看護師はできて当然だと思っていることなのに、ブランク明け看護師にとっては初体験…という状況になることがありますよね。
そうすると、「こんな基礎的なこともできないの?経験あるんでしょ?」と言われてしまいます。
ブランク明け看護師が自己判断で処置を行った時
ブランクがある看護師は経験があるので、1人で仕事をしていた時代の感覚で、ブランクがあるのに自己判断で処置を行ってしまったことはありませんか?
ブランク明け看護師は、少し不安な仕事があっても、「経験があるんだから、こんな簡単なこと聞けない…」と思うと素直に質問できませんよね。
だけど、自己判断で行った処置が間違ったやり方だった場合には「きちんと確認して!」と先輩看護師から叱られてしまいます。
ブランク明け看護師が指導内容に対して「知ってます」と言った時
中途採用の看護師は過去に経験がある仕事について指導された時、ブランクがあるのに、ストレートに「それはもう知っています!」と言ってしまうことがあるんです。
せっかく教えてあげているのに、その言い方はないんじゃない?と感じた先輩看護師は、ブランクのある看護師への印象が悪くなるので、ふたりの関係も険悪ムードになってしまうでしょう。
ブランク明け看護師が自分のやり方を貫きたがる時
過去の自分が受けた教育を貫きたがる中途採用の看護師は、ブランクがあるのに新しい職場で受けた指導とは違った方法で仕事をしたがることがあります。
慣れている方法で行ったほうが楽だから…という思いがあるのでしょうが、教えた通りに仕事をしないので先輩看護師が見ると「なんで私が教えた方法でやらないの?面白くない!」と思われてしまうでしょう。
ブランク明け看護師がお局看護師のいる派閥に入らなかった時
ブランクのある看護師は新人看護師よりも年齢が上で、先輩看護師やお局看護師とも年が近いことがあるので、お局看護師の派閥に誘われることがあります。
そのまま派閥に入ってしまえばお局看護師にかわいがってもらえますが、派閥に入らないとお局看護師の機嫌を損ねていじめられてしまいます。
新人看護師とブランクのある看護師がいじめられる場面には違いがあるものの、どちらも指導役との関係が上手く築けない時にいじめられるということが分かりました。
では、プリセプターや先輩看護師が何故いじめたい気持ちになるのかを考えてみましょう。
先輩看護師が新人看護師やブランクのある看護師をいじめる理由
これからお話しすることは、先輩看護師やプリセプターが新人看護師やブランクのある看護師をいじめたくなる理由です。
指導役ならではの苦労があるからこそ、指導という名のいじめになってしまうのでしょう。
プリセプターが忙しすぎて指導する時間が負担になっているから
プリセプターや先輩看護師は新人の指導だけでなく、自分自身の仕事もこなさなくてはいけません。
教員のように指導役に専念できるわけではないので、プリセプターや先輩看護師自身の仕事が忙しいと「指導どころじゃないわよ!」という気持ちになってしまうのでしょう。
特に人出不足で看護師1人当たりの仕事量が多いと、忙しく余裕がないことが原因で新人がいじめられやすいです。
新人看護師の責任をとらされるのが嫌だから
プリセプターなどの指導役は新人が失敗をした時には責任をとらなくてはいけません。
看護師という仕事の特性上、患者さんの命を預かっているという責任があり、「もしものことがあってはいけない!」と思うと、ちょっとした失敗をするだけでもきつく叱ってしまうのでしょう。
また、責任という意味では患者さん以外にも他の職員への態度までもプリセプターの責任だと思われることも関係しています。
先輩看護師や医師への態度が悪いと「新人看護師の態度が悪いのはプリセプターの指導が悪いから」と言われてしまうので、少しでも新人の態度が悪いと「また私のせいにされる!」と思ったプリセプターは新人看護師にうるさいことを言ってしまいます。
プリセプター自身もいじめのような指導を受けてきたから
看護師の世界はいじめのような指導が当たり前だった時代があります。
過去に自分が受けた指導がいじめレベルで厳しかった場合には、悪気なくいじめのような方法で新人に指導をしてしまうのでしょう。
先輩看護師自身が人に教えるのが嫌いで、無料で指導役をするのが嫌だから
看護の仕事は好きでも、プリセプターなど指導役をすることが根本的に嫌いな看護師もいます。
それに、手当がつくわけでもないのに仕事が増えることに抵抗を感じる看護師もいるようです。
そうすると、やりたくもない指導役を仕方なくやっているという状態なので、少しのことでもイライラして新人に当たりたくなってしまいます。
指導役が自分の新人時代を忘れているから
ベテラン看護師がプリセプターだと、新人だった頃には自分も同じように仕事ができなかったということを忘れていることがあります。
これも、新人いじめの原因です。
誰でも1年目は仕事ができないのが当たり前ですが、そのことを忘れてしまうと「これくらいできて当然でしょ!」と思えてしまうので、仕事のできない新人看護師への態度が厳しくなります。
プリセプターと新人の相性が悪いから
指導役の看護師と新人が人としての相性が悪いと、何をしてもムカつかれてしまうのでいじめに発展するリスクが高まります。
それに加えて、指導役がいじめ体質だった場合には過酷ないじめ被害を受けてしまう恐れもあります。
指導者としての教育を受けていないから
プリセプターなどの指導役は指導者としての研修を多少は受けますが、正式な教育を受けるわけではありません。
だから、人にものを教える基礎知識がないままで、手探りで新人指導を行っている状態です。
指導に関する知識や経験がある看護師ばかりではないので、指導に関しては素人の看護師もいます。
その結果、指導なのかいじめなのか分からないような方法で仕事を教えるという状態になってしまうのでしょう。
このように、指導役も様々な苦労をしながら新人の指導をしており、指導役と新人の間で誤解があったり、意志の疎通がうまく図られないといじめに発展してしまいます。
では、指導役からいじめられた時に新人ができることはあるのでしょうか?
先輩看護師からいじめられた新人やブランクのある看護師ができること
ここからは、先輩看護師からいじめられた新人ができることを紹介します。
孤立感だけでも無くすようにする
新人看護師やブランクのある看護師は、一人前になるまでは誰もが苦労しながら仕事を覚えていきます。
だから、他の病棟の新卒新人看護師やブランクのある看護師がどうしているか聞いてみてください。
同じ病院に話ができる友達がいないのであれば、学生時代の友人に相談しましょう。
みんな同じように苦労していることを知れば、少し安心できるはずです。
私はこの方法で辛い新人時代を何とか乗り切りましたよ。
同じような状況にいる人の話を聞くだけで随分気持ちが楽になったことをよく覚えています。
指導でいじめられる辛さは変わらないとはいえ、「みんな同じような思いをしている」と思えれば、多少のいじめなら耐えることができるようになります。
あなたも相談できる友達を探してみてくださいね。
早く指導そのものが不要になるようになる
新人看護師はもちろん、ブランクのある看護師も、仕事を完璧に覚えて独り立ちするまでは、「指導してもらえてありがたい」という気持ちを持ち、自分磨きに励みましょう。
必死で勉強し、積極的に新しい症例の経験を積んで一人前になれれば、指導役のストレスも軽くなるのでいじめも軽減させられます。
指導する必要もないほどにあなたが成長すれば、指導という名目でいじめられなくなりますよね。
必要以上にダメージを受けないようにする
教えてもらう側だと余裕がないので、指導者の苦労まで考えられないかもしれません。
でも、分かって上げてください。
指導者も自分の仕事をしながら指導をするのは大変なので、疲れてくるとついキツイことを言いたくなってしまうんです。
だから、いじめられた時には、指導役も1人の人間なのだから患者さんと同じようなものだと思うようにしてください。
患者さんから暴言を浴びせられても「手術前のストレスで精神的に不安定なんだな…」など、冷静に分析できますよね。
指導役がイライラして酷い発言をした時には、「今日は疲れてるみたい…」と思って、真正面からいじめを受け取めないよう意識してみてください。
少し受け止め方を変えるだけで、あなた自身の精神的ダメージを減らせます。
特に先輩看護師が怖すぎて萎縮してしまう新人は、ミスにミスを重ねる悪循環にならないよう、自分自身の気持ちをコントロールできるようになりましょう。
それに、新人時代が終われば、指導役と離れることができるんですよ。
期間限定の辛抱だと思って、気持ちをごまかしながら過ごすようにしてみてください。
自尊心をくすぐり、自分から気づかせる余裕を作る
指導役との関係が良くなれば、いじめが軽くなる可能性があるので、自分からプリセプターや指導役に話しかけるようにしてみてください。
「ただでさえ関係が悪いのに、自分から話しかけるなんて無理…」と思うかもしれませんが、できる範囲で構わないので少し頑張ってみましょう。
指導役としても、「自分から話しかけてくる新人のほうがかわいい!」と思えるので、思い切って相談を持ち掛けてみるのも良いですよ。
「この処置が上手くできないのですが、〇〇さんはとても上手で羨ましいです。コツがあったら教えてもらえませんか?」と先輩看護師に憧れていることをさりげなくアピールすれば印象が良くなります。
そこで、プリセプター自身が1年目にどうだったかを聞き出せれば、指導役が自分の新人時代を思い出すかもしれませんよね。
自分の1年目を思い出せば、あなたへの態度も優しくなると思いますよ。
看護師長に相談する
指導役との相性が悪すぎて、「担当を変えてもらわないともうやっていけない!」と思ったら看護師長に相談して、指導役を変えてもらうようお願いしてみましょう。
指導役の変更は無理でも、もう少し優しく指導するように看護師長が口添えしてくれるかもしれません。
もしくは、異動願いを出すという方法もあります。
新人で異動させてもらえる可能性はかなり低いのですが、人間同士の相性が悪いことが原因でいじめられているのであれば、病棟を変えて他の指導者に教えてもらうようにすれば、いじめを回避できるでしょう。
しかし、まだ仕事を覚えきれていない状態で異動をするとなると、異動先では今以上の努力が必要となります。
転職する
今すでに先輩看護師やお局看護師、プリセプターからのいじめにあっている新人看護師・ブランク明け看護師は、紹介した対処法でも問題が解決しない場合には、今の職場を退職することを検討してください。
きちんと探せば、先輩看護師が新人看護師の気持ちを理解してくれて、丁寧に指導してくれる職場があるので、いじめがない職場に転職しましょう。
「いじめられていても、新人看護師・ブランクのある看護師だから仕方ない…」と転職を諦めてしまっている看護師もいますよね。
だけど、説明した通り、指導役が新人に寄り添って優しく教えてくれる職場があるので転職先を間違えなければ、いじめられない職場で働けるようになりますよ。
新人看護師やブランク明けの看護師がいじめられない病院を探す時には、指導者が自分の仕事だけで手一杯になっている激務の病院は避けなくてはいけません。
それ以外にも、新人や中途採用の看護師の指導方法が確立されている病院のほうが、指導者の当たりはずれが少ないでしょう。
また、指導者自身がいじめのような方法で仕事を教えられていた職場に転職してしまうと、今と同じようにいじめにあってしまうリスクが高まります。
お局看護師がいて看護師の派閥がある病院も避けたいですよね。
このように新人看護師、ブランクのある看護師がいじめられない職場を探すのは非常に難しいんです。
そのため、いじめのない病院へ転職する場合には転職サイトを使って、コンサルタントに上記のことを調べてもらいましょう。
転職サイトのコンサルタントは、あなたと同じような悩みを抱えて転職した人のサポートを何度も経験しているはずです。
それだけでなく、転職後に再度いじめられていないかまで確認しているので、病院内でいじめがあるかどうかの情報も持っています。
コンサルタントに相談しながら転職先選びをすれば、いじめのない職場を見つけることができますよ。
せっかく看護師デビューしたのに、いじめにあって仕事を楽しめないのは辛いですよね。
それに、ブランク明けで再出発したばかりでいじめにあうと、これから看護師としてやっていけるか不安になりますよね。
でも、いじめられなくなれば、仕事への意欲が戻ってくるはずです。
いじめに負けないよう頑張って、一人前の看護師になってくださいね。