看護師の仕事は体調不良でも休めないと言われており、熱があっても解熱剤を服用して働くのが当たり前です。
こんな働き方を続けていて良いことがあるはずありませんよね。
今回は、体調不良時に無理をして働き続けるとどういったことが起こるかについて考えてみました。
また、無理をして働かなくてはいけない状況を改善させる方法も紹介します。
体に優しく安全に働きたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
看護師が体調不良でも休めない職場に勤めていると起こること
患者に感染が広がる
感染症系の病気がある状態で職場に来ると、患者にその感染症がうつってしまう危険があります。
免疫力が落ちている患者が感染症になると重症化する危険が大きく、もしものことがあると後味の悪い思いをすることになるかもしれません。
医療ミスを犯す危険が増す
体調不良で無理をして仕事をしていると、判断力が鈍っているので、重大なミスを犯してしまう可能性も。
命を預かる仕事なので、少しのミスが大きな事故につながってしまう危険があると言えるでしょう。
体を壊してしまう
看護師が体調不良でも休めないのは、薬を使って一時的に対症療法を施し、症状を抑えながら働く習慣があるからです。
身近にいる医師に解熱剤などをすぐに処方してもらえますし、薬に関する知識があるので、自己判断で薬を使って症状を抑えることが当たり前になっています。
実はこれはとても危険なことで、薬を不必要に使うことで耐性菌ができたり、病気が重症化したりすることがあるのです。
体調が悪くても、薬を使えば一時的には働くことができますが、長い目で見た時には体にかなりの負担がかかってしまうでしょう。
人間関係がどこまでも悪化する
体調が悪くても働くことを他人にまで強要するスタッフがいると、問題が大きくなります。
「自分は発熱時も働いているのに、あの人はなぜ体調が悪いくらいで休むのか?」と不満をもらすスタッフがいると、人間関係が悪くなっていくからです。
あなたも調子が悪い時に我慢して働き続けていると、そういった不満をもらしてしまうかもしれませんよね。
こういった問題を抱える職場は様々な部分で余裕がないので、看護師同士の人間関係がギスギスしてくるのでしょう。
その結果、体調不良でも休めない病院は、ますます休みが取りにくくなるという負のスパイラルにはまっていきます。
看護師で体調不良でも休めない職場で働いている人がやるべきこと
体調が悪い時に休めるような仕組みを作る
感染症対策、リスクマネージメントの視点から
感染症看護の専門看護師がいたり、感染症対策の院内研修を行ったりしている病院は、看護師の体調が悪い時には感染症対策の面から見て休ませる対処を取ることが多いです。
そのため、感染症対策関連の知識を得る機会を増やすよう師長や院長に催促すると、効果があるかもしれませんよね。
医療事故に関しては、2000年以降は「チームや組織全体のあり方を改善しなくてはいけない」と自己責任では済まされないという考えに変わってきています。
医療安全管理に力を入れるよう師長や院長にお願すれば、看護師の体調が悪い時には休ませるほうがベターだと思ってもらえますよ。
ただ、感染症対策、リスクマネージメントを行いたくても看護師の数が少なく病院の経営がギリギリだと、背に腹は代えられないという状態なので、危険があると分かっていても出勤を強制されるでしょう。
働き方改革として
労働者の権利として、体調不良時に休みが取れるよう交渉してみましょう。
職員組合に相談すると体調が悪い時には休めるよう交渉してもらえます。
また、同じ考えを持つスタッフを探しておき、仲間を作っておくのもおすすめです。
地道に活動をしていく必要がある方法なので、休みが取りやすい環境になるまでに時間がかかってしまうのが難点です。
無理をして出勤しない
自分の体を守るためには、体調が悪い時には何を言われても休むようにしてください。
ただし、看護はチームで仕事をする仕事なので、職場の人間関係が非常に重要。
もしも、他のスタッフのほとんどが体調が悪くても働くことを美徳とする価値観を持っている場合には、相当に強い意志がなければ休みを取ることができないと思われます。
また、体調が悪くても休めない病院では、上司の許可なく休むのは困難なパターンが多いでしょう。
体調管理を徹底する
休日は外出などをせずに体調管理に集中する方法も試してみてください。
体調が悪くても休めない職場では、体調を崩すと「自己管理ができていない」と叱られるので、休みの日でも体調管理に努めている実績を作るためです。
しかし、プライベート全てを仕事のために使っているような生活になってしまうので、長く続けるのは困難な方法とも言えます。
転職する
一番重要なことは、体調不良でも休めないような職場は多少の対策を行っても根本的な問題を解決することが難しいことです。
このまま同じ環境で働き続けて、患者に感染症を広げる、医療ミスを犯してしまうなど、取り消しのつかないことになってしまったら大変!
また、体を壊してしまうと、仕事を続けることさえ難しくなるでしょう。
働き続けるのが困難になってから焦って転職活動をしても条件の良い病院を探し出す余裕がないかもしれません。
年齢が上がると転職には不利になるということも忘れてはいけない問題です。
こういった理由から考えると、体調不良でも休めない病院で働いている時には、できるだけ早く転職した方が良いでしょう。
次に働く職場は体調不良の際には休めるよう、人員に余裕がある病院がいいですよね。
しかし、求人情報には給料や勤務時間、勤務形態などは記載してあっても、体調が悪い時に休めるかどうかまでは書いてありません。
体調が悪くなるのは急なことが多いので、体調不良で休めるような職場は看護師の数に余裕があるか、看護師が何人か休んでもすぐには困らないような職場だということです。
そういった職場なのかどうかは求人情報だけを見ていても判断できないと思いませんか?
その問題を解決させたい方は、転職サイトを使ってみてください。
転職サイトのコンサルタントにお願いをすれば、
- 看護師の数に余裕があるかどうか
- 体調不良なら急に休みがとれる職場なのか
を病院側に確認してくれます。
それに、求人に応募する前に、
- 感染症対策やリスクマネージメントに力を入れているか
- 労働者の権利が保障された職場なのか
を調べてもらうこともできます。
コンサルタントは病院の人事担当者などとの関わりもあり、トップの方針に関しても知識があることもメリットだと言えるでしょう。
転職サイトを利用せずに転職をすると、これらの恩恵を受けられないということです。
もう二度と体調不良時に無理をして働きたくないという方は、転職サイトを使ってみてくださいね!