「今の病院を辞めたいけど、看護師長が怖くて上手く理由を説明できない」
「人手不足なのに、自分が辞めたら迷惑をかけてしまう」
「師長に退職の意思を伝えたのに、それ以上の進展がない」
「そもそも、退職に関する話を聞いてもらえない、話を流されてしまう」
などの理由で、退職したいのに退職できないと、困っていませんか?
私は看護師として、2か所の病院で働いた経験があります。
どちらの病院でも、「早く辞めたい」と言いながらも働き続けている看護師がいました。
退職したい思いがあるのに退職できずにいると、どうなるでしょうか。
私の元同僚は、最終的には小児科で有名な病院で働きたいという夢があったのに、今では循環器病棟で副師長をしています。
会うたびに「本当は小児科に行きたかったんだけどね・・・。もう今更辞められない。」と言っています。
自分の希望に沿わない病院で働き続けるのは、しんどいですよね。
でも、安心してください。ちゃんと退職できる方法はあるのです。
退職できる方法を知ってさえいれば、誰でも退職できます。
今から円満退職の方法から、強行手段の方法までご紹介します!
退職を実現させて、今の病院のしがらみから抜け出し、あなたに合った新しい職場で、新たな看護師としての一歩を踏み出しましょう。
看護師が退職できない時、その背景や理由とは?
看護師が退職できない、一番の大きな理由が人手不足です。
診療報酬に見合った人員の確保が必要なのです。
また、病院で働いていると、各部署における役割や係、委員会活動などがあります。
そういったものを担っていることで、年度途中の退職を認めてもらえないケースがあります。
それらの理由に加えて、退職者が多いとその部署のトップである、看護師長の評価が下がることがあるのは、ご存知ですか?
「退職者が多い」=「そんな環境を作っている師長に問題」とみなされるのです。
退職を申し出ても、話が看護部長には届かずに、師長止まりになることも少なくありません。
もちろん、退職を希望している看護師が、今後も病院で活躍してもらいたい貴重な存在のため、退職を承諾しないこともあります。
看護師が退職できない時、いったい何が起こってる?
- 退職を許可してくれない
- 保留のまま退職の話が進まない
退職を許可してくれない
看護師長や看護部長に、退職したい旨を申し出たが止められてしまう、というケースは本当に多いです。
言い方は悪いですが、看護師長も看護部長も、退職を引き留める話術はすごいです。
実は、私もこの言葉巧みな話術により、退職を踏みとどまったことがあります。
「今の病棟にはあなたの力が必要なの」
「私(師長)を助けると思ってもう少しお願い」
「後輩がもう少し育つまで、待ってほしい」
「働きやすい環境になるように、今考えているところだから」
そんな風に言われてしまい、そのまま数年間ズルズル働き続けることになってしまった経験があります。
でもやっぱり、一度は退職したいという気持ちが固まっていたので、ズルズル働いていた数年間は、モチベーションが上がらず苦痛で仕方ありませんでした。
私は情に負けてしまったパターンですが、中には、
「せっかくここまで育てたのに。辞めるなら、もっと後輩を育ててからにしなさい。」
「あなたが今している委員はどうするつもり?」
など冷たく言われて、それ以上は怖くなり何も言えなくなるパターンもあります。
自分の「辞めたいという強い意志」が大切になります。
保留のまま退職の話が進まない
看護師長に退職の意思を伝えても「そうなの。分かったわ。」と言うあいまいな返事をされたっきり、話が進展しないことがあります。
師長の「分かった」は、決して「退職OK」という意味ではありません。
「あなたが辞めたいと思っていることは分かったわ。(でもだからって簡単には辞めさせないわよ)」という心の声が潜んでいると思った方がいいです。
退職の話が進んでいないと感じたら、退職の件はどうなったのか、看護部長には話がいったのかを確認していく事が必要です。
また、退職したい日を具体的に伝えましょう。
看護師が退職できないことへの対処法、4ステップをご紹介
- ステップ1:効果的な理由で退職の意思を伝える
- ステップ2:退職の話に進展がなかったら、進展度を確認する
- ステップ3:看護師長経由では話の進展がなかったら、看護部長へ直談判
- ステップ4:どうしても退職できないときは、強行手段の法律で勝負
ステップ1:効果的な理由で退職の意思を伝える
結婚や夫の転勤のため、通勤できない距離に引っ越すことになった
親の介護など家庭の事情で、夜勤や残業ができなくなったので、日勤常勤で残業の少ない病院へ行きたい
スキルアップ(認定看護師や専門看護師)のため、それに特化した病院へ行きたい
今の病院にはない、他の分野(ホスピス、訪問看護など)で経験を積みたい
このとき大切なのは、必ず辞めたい時期を一緒に伝えましょう。
また、「辞めたいと思っています。」という希望を伝える言い方より、「〇月で辞めさせて頂きます」と、決定事項として伝える方が、看護師長に本気度が伝わります。
ちなみに、退職理由にはNGワードがあります。
次にあげるNGワードは、簡単に退職を跳ね返されて無かったことにされるので、要注意です。
知識や技術についていけない→ちゃんとフォローするから大丈夫!頑張ろう!
先輩が怖くて体調を崩している→夜勤のペアにならないようにするからね
結婚したので家庭を優先したい→お正月など考慮する、みんなやってるから大丈夫
出産したので育児を優先したい→託児所があるし時短制度を遠慮せず使ったらいいの
これらは、ついつい言いがちな退職理由ですが、言いくるめられて退職を無かったことにされて、ズルズル働き続ける事になるので気を付けましょう。
ステップ2:退職の話に進展がなかったら、進展度を確認する
一度退職の意思を伝えたらかといって、油断してはいけません。
退職についてハッキリとダメと言われていないから・・・と言って放置していると、そのまま話が流れることがあるからです。
師長は、スタッフから退職したいと言われることは、ある意味慣れています。こちらから進展度の確認をすることで、本気度が伝わります。
本気度が伝わることで、初めて次の人員の確保に動いてくれます。
また、看護師長から退職を認められても、看護部長が納得しない場合もあるので、必ず看護部長まで話が通ったかを確認しましょう。
ステップ3:看護師長経由では話の進展がなかったら、看護部長へ直談判
基本的に看護部長の許可が降りれば、師長も納得せざるを負えなくなります。
ただ、勝手な自己判断で部長に話をしてしまうと、師長との関係性が崩れてしまう可能性があります。
円満に退職したいのなら、まずは師長を説得しましょう。
そして、師長は退職を認めたが部長の許可が降りない、という状態が続いた場合、師長の同意を得た上で、看護部長への直談判をオススメします。
ステップ4:どうしても退職できないときは、強行手段の法律で勝負
職場には、就業規則というものがあり、退職したい場合は〇ヶ月前までに申し出るようにといった規定があります。
でも実は、民法627条では「2週間前に退職を申し出れば辞めることができる」と定められているのです。
ステップ3まで進んでも、どうしても辞められない場合の強行手段として、2週間前までに退職届を出すという方法があります。
「退職願」だと、単なる希望とみなされてしまう可能性があるので、「退職届」で出しましょう。
また、この時には念のため、退職届をコピーして一枚は自分で保管しておきましょう。
本来退職届は、退職を認めてもらってから病院指定の用紙に記入することが多いです。
しかしそれは法的な規則ではないので、強行手段で退職届を出す場合は、自分で作成したもので問題ありません。
また、このまま退職を認めてもらえないのなら、労働基準監督署に相談しようと考えていると伝えることも有効な手段です。
私の元同僚は、実際にこの手段で退職できました。
労働基準監督署というワードを出した途端、部長の顔色が変わり「別に辞めさせないと言ってるわけじゃないんだよ」と、退職を認められたのです。
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転職サイトに登録すると担当者がついて、今の病院を退職するためのアドバイスをもらえます。そして今の病院の退職時期と、転職先の入職時期の調整までしてもらえるのです。
病院を退職するには、労力が必要です。
担当者に相談しながら退職&転職を進めていくことで、あなたの負担は軽減しましょう。
退職する話が進まない時には、新しい転職先を見つけておく事で、今の病院の看護師長や部長に、諦めてもらう決め手になる場合があります。
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