重症心身障害児施設(重身)の看護師の仕事と聞くと、どんな仕事内容を思い浮かべますか?
具体的にイメージ出来ないという方も多いのではないでしょうか。
現在、日本には色々な役割を担った施設が多く存在しています。
今回は、重症心身障害児施設に視点を置き、施設での看護師の仕事を紹介するとともに、どのような看護師が必要とされているのか紹介していきたいと思います。
重症心身障害児施設って何?
重症心身障害児施設とは、自宅では介護が困難な18歳未満で重度の身体的不自由と、重度の知的障害が重複した障害児を受け入れることが出来る施設の事です。
医療者の間では「重身(ジュウシン)」と略されることもあります。
重症心身障害児施設は、児童福祉法では施設となっていますが、医療法では病院となっており、施設と病院の二面性を備えています。
入所者の障害レベルは、施設入所の制限に繋がるため明確な規定はありません。
援助があれば簡単な作業に取り組める比較的軽度の障害児もいれば、24時間医療ケアを必要とする障害児もいます。
しかし、障害児の多くは「大島分類(障害児の障害の程度をわかりやすく、運動能力と知能指数をもとに表でレベル分けしたもの)」で1~4に当てはまる重度障害をもつ子供が多く入所しています。
具体的に入所している障害児の一例をあげると、てんかんや仮死など低酸素症による重症の遷延性意識障害のある子供、染色体異常、脳外傷後の重度後遺症、小頭症、新生児高ビリルビン血症、髄膜炎や脳炎の重度後遺症、その他原因不明の障害を持ち、自宅生活が困難な子供など、色々な障害をもつ子供が入所しています。
重症心身障害児施設での看護師の仕事って何?
重症心身障害児施設での看護師の仕事とは、重症心身障害に対する二次的障害の対応が主になります。
二次的障害とは、上記であげた一例などから出てくる身体的、精神的問題です。
- 呼吸障害による呼吸管理、人工呼吸器管理、気管切開管理、吸引や吸入の施行
- 摂食障害による低栄養への対応、経管栄養や胃瘻の管理、食事介助
- 機能性イレウスに対する対応、排便コントロールや嘔吐予防
- 排尿障害による対応、排尿バルーン管理、導尿など
- 骨粗しょう症による骨折予防や拘縮予防(理学療法士や作業療法士が常駐する施設なら、リハビリ計画に看護師が介入する場合があります)
- 不足している日常の清潔ケア、入浴や清拭、洗髪や更衣など
- 状態異常時の点滴管理、投薬などの医療ケア
- 障害児とその家族のメンタルケアなど
これらの医療、看護ケアなどを重症心身障害児施設で働く看護師が行っていきます。
重症心身障害児施設で働く看護師の向き不向き
重症心身障害児施設の看護師に向いている人
ここでは、重症心身障害児施設で働くのに向いている人を簡単にまとめてみました。
- コミュニケーション能力が高い人、そのスキルを学びたい人
- 子供が好きな人
- 仕事にやりがいを持ちたい人
- 体力に自信がある人
重症心身障害児施設の看護師として働く上で必要な事は、基本的な医療の知識や技術はもちろん、最も重要視される事はコミュニケ―ショーン能力です。
障害児の多くは、通常の会話でコミュニケーションを取れる人ばかりではありません。
表情や視線からニーズを読み取ったり、筆談だったり、手話だったり、色々な方法でコミュニケーションを取る必要があります。
また、家族の精神的サポートも仕事内容に含まれるため、障害児だけでなく、家族とも良好な人間関係を構築していく必要があります。
利用者の家族の中には、かなりシビアな家族もいて、ちょっとした対応の違いや、事故に至らないヒアリハットでも大事になる事があるからです。
重症心身障害児施設の看護師に向かない人
- コミュニケーションに自信がない人
- 体力的に自信がない人
- 子供が苦手な人
- 精神的に自信がない人
重症心身障害児施設で看護師をする上で、コミュニケーション能力の重要性については先に述べた通りです。
また、重症心身障害児施設では、移乗の介助、トイレ介助や入浴など、結構な重労働があります。
体力的に自信がないなら、働く事をオススメしません。
また、重症心身障害児施設の入所者は、重度の障害を持つ子供です。
予後が悪く、余命幾ばくの利用者も多く入所しています。
一般病院より、子供を看取る事が多いことは言うまでもありませんね。
誰しもが、亡くなる患者を見送る事は辛いことだと思います。
まして、子供ともなると、なんとも表しようがない無力感だったり、喪失感だったりが襲ってきます。
ですので、重症心身障害児施設で働くには精神的に自信がない人は向かないのです。
重症心身障害児施設で看護師をするには、どうすればいいの?
あなたが個人で、重症心身障害児施設を探すことはオススメしません。
病院とは違い、施設が少ない事があり、探すだけでも一苦労です。
また、施設が少ないという事は、得られる情報も限られてきます。
利用者のレベルや施設での仕事内容など、実際に働いてみないと分らない事が結構あります。
転職してみたら、「自分の考えていた事と違った。」と、ならないためにも、転職サイトの利用をオススメします。
専門の転職コンサルタントに相談することで、個人では収集出来ない多くの情報を得ることが出来ます。
それらをもとにして、適切な転職を選択して下さい。