「看護師の異動先が合わない場合はどうしたらいいの?もう仕事辞めたい…」
急な人事異動が出ると困りますよね。
異動した部署が合わなくて辞めたいと思っているのはあなただけではありませんよ。
多くの看護師が人事異動に苦しみ、これからどうしよう…と途方に暮れる気持ちになっています。
人事異動が出た時はすぐに答えを出さずに、慎重に今後のことを考えることが重要です。
様々なことを考慮してあなたが満足できる対策がとれれば、これからも看護師として働き続けることができます。
そのためにも異動について詳しく知り、どうして異動先が合わないと感じるのかをはっきりとさせましょう。
これから、看護師の異動先が合わないから辞めたいと感じた時にするべきことについてお話します。
あなたにとってベストな選択ができるよう、ここに書かれていることをしっかりと読んでくださいね。
看護師が異動について知っておくべきこと
まずは、看護師の異動について学びましょう。
看護師は何年目で異動になる?
看護師は同じ病棟に3~5年ほど勤め続けていると人事異動が出ることが多いです。
しかし、看護師が異動になる期間には、明確な定義はありません。
病院によって大まかな決まりがあるところが多いようですが、それもひとつの目安に過ぎず、その時の状況によっては継続勤務年数に関わらず人事異動が出ることがあります。
看護師が異動する理由
人事異動が出た時、真っ先に思うのが「なんで私が?」ということですよね。
看護師が異動になる理由には様々なものがあります。
以下が代表的な異動理由です。
- 不足人員の補充
- 看護職員のバランス(若い看護師ばかりにならないように、など)
- 定期的な人員変更(病棟内メンバーの固定化を防ぐため)
- 昇格による異動
- 看護師としての能力不足(配置病棟の業務がこなせなかった、など)
これらのことを総合的に判断して人事異動を出す看護師を決めています。
異動命令が出たことで「もしかして左遷?」と思う看護師もいるかもしれませんね。
経験豊富でないと務まらない病棟や、かなり勉強しないとついていけない病棟の場合には、能力不足という理由で人事異動が出ることがあり、見方によっては「左遷なの?」と感じることもあるでしょう。
ただし、ごく稀なケースですし、能力不足で異動になっても給料が減額されることは滅多にないので安心してください。
看護師が人事異動を拒否するのは困難
看護師に人事異動が出た時に真っ先に思うことは「断りたい!」ではないでしょうか?
しかし、同じ病棟でずっと働き続けている看護師はまずいません。
よっぽど特殊な理由がない限り、異動を拒否することはできないでしょう。
全ての看護職員が異動を繰り返して働き続けているので、仮に異動を拒否することができたとしても、他の看護職員に白い目で見られてしまいます。
異動がある病院に勤めている以上、人事異動には逆らえないと思っておいてください。
看護師が異動先は自分に合わないから辞めたいと思う理由
異動先が合わないから辞めたいと思ったら、何が原因なのかをはっきりとさせておくことが重要です。
嫌だと思う原因によって対処法が変わってくるので、あなたがどのケースに当てはまるかをよく考えてみてください。
異動先の仕事内容が合わないから
あなたの異動先が合わない、辞めたい、と思うのは、仕事内容に不満があるからですか?
看護師の仕事は医師のように専門が決まっているわけではないので、全ての科に配属させる可能性があります。
だから、自分に合わない科に配属されると、仕事への意欲が低下してしまいますよね。
単に何科が好きかということ以外にも、急性期病棟と慢性期病棟では、同じ看護職といっても仕事内容が全く違います。
また、体力仕事が多いほうが良いのか、頭脳労働が好きなのかの違いもありますよね。
例えば、寝たきりの患者さんのお世話が好きな看護師と、急性期の医療処置が好きな看護師では仕事に求めるものが違ってきます。
それ以外には、患者の年齢層によって病棟の雰囲気はガラッと変わるので、可愛らしい雰囲気の小児科勤務から高齢者中心の神経内科に異動になったら、仕事がつまらないと感じてしまうかも。
他にも、今までは眼科や皮膚科でターミナル期の患者さんが少なく気楽に仕事できたのに、癌患者さんが多い消化器病棟に移ったら重い雰囲気で精神的に参ってしまったという看護師もいます。
死亡率によって病棟のムードが違うので整形外科のような明るい雰囲気が好きだと、脳外のような場所は合わないかもしれません。
このように看護師の仕事は多岐にわたるので、異動先の仕事内容が自分に合わないから辞めたいと思っても不思議ではありません。
対処法の一つ「転職」なら
- 興味を持って働ける診療科
- 仕事に何を求めているのか(日常生活の世話がしたいor命を救いたい)
- どんな雰囲気の病棟が心地良いと感じるか
これらのことを自分自身でよく考えて、どのような場所で働きたいかを明確にしておくと、あなたにとってベストな職場が分かりますよ。
異動先の人間関係がドロドロだから
異動先が合わないから辞めたいと感じるのは、新しい部署の人間関係が悪く、ドロドロなせいかもしれません。
異動した看護師にとって新しい部署の人間関係は、とても重要なんです。
既に仕事を覚えている病棟で働いている時は、多少人間関係が悪くても、自分に関係なければ無視して1人でやるべきことをやれば何とか仕事ができます。
しかし、新しい場所だと物品の位置も違うし、何もかもが分からないことだらけなので、簡単な仕事をするだけでも誰かに聞かないと仕事が回りません。
そんな余裕のない状態なのに、人間関係が悪い病棟だと、質問してもみんな機嫌が悪くてなかなか仕事を教えてくれないんです。
だから、普通に教えてもらえれば1分で終わることが、手間取って10分くらいかかったりして…。
新しい配属先でただでさえ仕事がスムーズに進まないのに、人間関係が悪いせいで状況がより悪くなってしまいます。
人間関係が悪くても新しい病棟ですぐに働けるよう教育体制が整っていれば、ここまで悩む必要もありませんが、教育体制が不十分で人間関係も悪いと異動先で働くことにストレスを感じてしまうでしょう。
また、新しく入ってきた自分にはよく分からない理由でいがみ合っている看護師の相手をするのも大変。
人間関係がドロドロしている場所で仕事をして心地良いわけないですよね。
派閥ができあがってたりすると、どっちに属するかで両方のボス看護師から威圧され、知らないうちに派閥争いに参加させられてしまいます。
人間関係の悪い病棟は、面倒なことばかりですね。
このような人間関係の悪さに悩んでいる場合には
- 仕事をさっさと覚えて、険悪な雰囲気に巻き込まれないよう一匹狼の看護師として働く
- 派閥に入って仲良しの看護師を作る
どちらの方法が自分に合っているか考えてみましょう。
対処法の一つ「転職」なら
人間関係の良い転職先を探すのは当然ですが、あなたが仕事仲間とどういった付き合いをしたいかも考えておいてください。
なぜなら、看護師個人の価値観によって「人間関係の良い職場」の定義が大きく異なるからです。
A:頻繁に飲み会などがあってプライベートでも密に付き合いがある=人間関係が良い職場
B:仕事以外の付き合いが少なくプライベートと仕事の区別が明確な職場=人間関係の良い職場
このようにAとBでは職場の人付き合いの仕方が真逆ですが、どちらも人間関係の良い働きやすい職場だと言われています。
例えば、「毎月飲み会があって社員旅行もある人間関係の良い職場」はAの看護師には向いていますが、Bの看護師には合わないですよね。
「人間関係の良い職場」には様々な種類があるので、あなたがどんな人間関係を望んでいるかをはっきりとさせておきましょう。
新しい環境に慣れるのに時間がかかるタイプだから
あなたが異動先に違和感を抱いているのは、新しい環境に慣れるまでに時間がかかるタイプのせいかもしれませんよ。
看護師として仕事をしている時は誰とでも話すことができても、プライベートでは人見知り…という看護師が結構います。
新しい患者さんと話すのはそこまで難しくないでしょうが、職場のスタッフに慣れるまでに時間がかかると大変ですよね。
新しい病棟に移ると看護師だけでなく、担当の医師も変わるので指示の出し方が全く違うなんてことはざらです。
Dr指示の意味が分からない…なんてことがあると、指示が出るたびに誰かに聞かないといけないので、新しい環境に慣れるまでは毎日が苦痛でいっぱいです。
新しい環境に身を置くことが好きなタイプの看護師なら、異動先での毎日が新鮮でワクワクするでしょうが、知らないことが多いと不安が強くなるタイプの看護師だと異動先での日々がより辛く感じられるでしょう。
それに、新しい環境で怯えながら過ごしていると、ミスも増えますよね。
新しい環境をストレスに感じる看護師は、いつもはしないような失敗をしたことで余計に仕事するのが怖くなり、さらに萎縮してしまうという負のスパイラルに陥ってしまうこともあります。
こうなると簡単な仕事をする時でさえ恐怖感を抱くようになり、異動したことが原因で退職したり休職したりする結果になることもあるんです。
対処法の一つ「転職」なら
新しい環境に慣れるまでに時間がかかるタイプの看護師は、いっそのこと異動がない職場で働いたほうがストレスはかかりません。
変化が苦手とはいえずっと同じメンバーで働くのも嫌だと思うのであれば、1~2年で異動する職場ではなく、7~9年で異動になるような異動の頻度が少ない職場が向いています。
特定の分野を極めたいと思っているから
近年は看護師も専門化される傾向があるので、看護師資格以外の資格取得を目標としている看護師も少なくありません。
そうすると取りたい資格に関する科の病棟に長く勤めたいという思いが出てきます。
例えば、呼吸療法認定士の資格を取りたいなら、できる限り長く呼吸器系の病棟に勤めたいですよね。
ひとつの分野に特化して経験を積みたいという希望がある場合には、異動先病棟が合わないから辞めたい…という不満を抱えることが多いです。
対処法の一つ「転職」なら
特定の分野を極めたい場合には、ひとつの科に特化した専門病院か、資格取得を理由に配属先を選べる職場がおすすめです。
看護師が異動先は自分に合わないから辞めたいと思った時の対処法4つ
先輩看護師や同僚に相談する
異動先が合わないと思って悩んでいるのなら、仲の良い先輩看護師や同僚に相談してみてください。
たくさんの看護師が異動で苦労しながらなんとか仕事を続けています。
同じような悩みを抱える看護師は山のようにいますから、話を聞いてもらって共感してもらえるだけで、気持ちが楽になりますよ。
看護師長にお願いする
どうしても異動先が合わないから辞めたいと思ったら、早めに別の病棟に異動させてもらえないか看護師長に直訴するという方法もあります。
年に数回大規模な異動がある病院が多いので、半年待てば別の病棟に異動できるかも。
異動時期以外でも、産休に入った看護師がいる病棟に早めに異動させてもらうなど、運が良ければ願いが聞き入れてもらえる可能性があります。
ただし、元に部署に戻りたいと訴えても、既にあなたの代わりの看護師が配属されているので元の部署に戻るのは難しいでしょう。
今の病棟を出たいのなら、空きのある病棟に異動するしかないということです。
休職願いを出す
異動先が合わないと悩んでいる看護師に覚えておいてもらいたいのは、異動先が合わないと感じてもすぐには辞めないほうが良いということです。
新しい環境にストレスを感じるのは当たり前のことなので、あなたも今の病棟に慣れたら苦痛を感じずに働けるかもしれないんです。
だから、異動してしばらくは辛い日々だったとしても、しばらくは頑張ってみましょう。
ただ、無理をして続けてしまうと取り返しのつかないことになってもいけないので、もう限界…と思ったら、休職願いを出してください。
体の不調を感じた時に病院にかかれば診断書を出してもらえますから、早めにお休みをして今後のことを考える時間を作ったほうが良いですよ。
休憩を挟みながら異動先に慣れていったという看護師もいるので、辞める前には休職も検討してみてください。
転職する
看護師友達に相談する、異動先の看護師長にお願いする、休職を検討する、などの方法では問題は解決しない!と思った看護師は、あなたに合った職場に転職するという方法を使いましょう。
どうしても異動が嫌なのであれば、異動のない病院に勤めるという方法もありますし、今の異動先よりも環境の良い職場はいくらでもあります。
異動ありの病院に転職するなら、次のことをはっきりとさせておくことが大切。
- 希望する分野の病棟に配属させてもらえる
- 新しく入った看護師の教育体制が整っている
- 人間関係がドロドロしていない
- 看護師間の派閥がない
- 異動頻度が少ない
- 資格取得のために同じ病棟で働き続けられる
これらの中から、あなたが希望する条件を選びましょう。
そして、転職サイトを使ってコンサルタントに条件を満たす職場を探してもらってください。
転職サイトのコンサルタントなら病院内のことまで詳しいので、人間関係や教育体制、配属希望が通るか、などについても調べてくれます。
異動しても困らないような病院に転職できたら、人事異動に苦しまなくて済むんですよ!
あなたが楽しく働き続けられる職場を探してくださいね。